たった一人の女性の現職が引退へ 「全国最低」の県に立ちはだかる壁

 山梨県内の県議会や市町村議会は議席の大半を男性が占め、女性がきわめて少ない。朝日新聞が統一地方選を前に実施した全国地方議会アンケートによると、女性議員の割合は議員全体の9・4%。47都道府県で下から3番目だった。県議会には1人しかおらず、熊本県と並んで最も少ない。有権者の半分は女性なのに、なぜ議員になりにくいのか。(吉沢龍彦、羽場正浩)

20年前は5人いたのに……

 甲府市議を2期8年、山梨県議を4期16年。県議会唯一の女性議員、小越(こごし)智子さん(59)は31日告示の県議選には立候補せず、24年に及ぶ議員活動に終止符を打つ。

 4月までの任期を前に「男性も女性も、若い人も高齢者も、みんなの声が議会に集まらなければだめ」との思いを強くする。

 今から20年前の2003年、県議会には女性議員が過去最多の5人いた。小越さんが甲府市議から初当選した07年は4人が当選。11年に3人になり、15年からは1人だけに。本会議場で答弁する県幹部の席にも女性の姿はなく、「この場に女性は私だけ!?」と異様に感じた。

 今年の2月定例会でも、議員と県幹部の席に女性はそれぞれ1人ずつ。状況はそれほど変わらない。

山梨県議会でただ一人の女性県議はどんな思いで政治活動をしてきたのでしょうか。記事後半では、女性議員がゼロか一人の「女性ゼロワン議会」の状況を紹介します。

なぜ女性が減っていったのか?

 女性が減った大きな要因は「…

この記事は有料記事です。残り1524文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment