実現が見通せなくなっている名古屋城天守木造化で、名古屋市が工期優先の強引な姿勢を改め、有識者の指導に従う構えを見せている。許認可権を持つ文化庁から厳しい指摘を受けたためだ。2022年末の完成目標に代わる新たな工期を示すためにも有識者の理解が必須だが、厳しい状況が打開できるかどうかは依然として不透明だ。
昨年11月28日、名古屋市が木造天守の22年末完成の断念後、初めて開いた市民説明会。登壇した市の有識者会議「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議」石垣部会の千田嘉博・奈良大教授が明言した。
「石垣をしっかり調査して保全した上で整備することで、名古屋市と石垣部会は完全に一致した」。説明会終了後には、河村たかし市長と握手を交わしたが、数カ月前まで部会と市の関係は冷え切っていた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル