スピードスケートの小平奈緒(36)=相沢病院=が22日の全日本距離別選手権(エムウェーブ)のレースで、競技生活に終止符を打つ。地元に密着し、成長し、世界を制した姿は、長野の後輩スケーターたちの目標であり続けた。
「たった1レースのために、こんなに長い夏を過ごすの?」。かつて、2年間を過ごしたオランダの元チームメートには今シーズン、そう驚かれたという。小平はこの夏も過去のシーズンと変わらぬ強度でトレーニングを重ねてきた。
「本当に毎日が楽しくて、モチベーションは少しも下がらず、上がりっぱなし。これまでの軌跡と重ね合わせるような、凝縮したような時間を過ごすことができました」。今月3日、報道陣に練習を公開した後にそう語った。
8月に練習でショートトラックの1000メートルを滑ると、自己ベストを更新した。信州大の学生時代から指導を受ける結城匡啓(まさひろ)・信州大教授には、「10年先もいけるな」と言われた。
衰えはない。だが、次のステージに進む。「長い人生を考えた時、スケートだけで人生を終わりたくない」との思いからだ。
「この先を作り上げてくれる後輩たちがいることも、私にとっては幸せ」とも語る。結城教授のもとに集まり、一緒に練習をしてきたチームメートに経験は全て伝えてきた。
長野市出身の小島良太(24)=エムウェーブ=にとって、小平は「心の中のお師匠」だという。信州大時代に力をつけ、今年2月の北京オリンピック(五輪)に初出場を果たした。
小平が2018年の平昌五輪…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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