25人が犠牲になった大阪市北区の放火殺人事件は、12月31日で発生から2週間がたち、現場には献花に訪れる人々の姿があった。30日には、重篤な状況が続いていた谷本盛雄容疑者(61)が死亡。現場を訪れた人々からは、事件の全容が解明されないことを悔やむ声が聞かれた。
現場のクリニックが入る雑居ビル前。冷たい風の中、次々と人が訪れ、歩道脇の配電設備の周りに花を手向けた。
事件で亡くなったクリニック院長の西沢弘太郎さん(49)と小学校の同級生だった女性(48)=埼玉県=はこの日、大阪に帰省。娘を連れて、真っ先に現場を訪れた。
西沢さんのことは「ザワ」と呼び、お互いの家を行き来する間柄だったという。「彼はランドセルが緑色で、我が道を行くタイプ。楽しい人でした」。「せめて気持ちだけでも」とコーヒーを供え、ビルの4階に向かって手を合わせた。黒く焦げた窓枠や天井を見つめ、涙を浮かべた。
谷本容疑者が死亡し、事件の真相解明は難しくなる恐れがある。女性は「何とか事件の真相を聞きたかった。残念(な気持ち)しかないです」と悔やんだ。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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