なぜいま「孤独・孤立」対策なのか 困りごとを抱えた人たちがそこに

 日本政府は英国に続いて「孤独・孤立対策担当大臣」を設置し、社会とのつながりを持てない人の支援に動き始め、来年4月には対策推進法が施行されます。なぜいま取り組みを強めるのか、現状の課題は何なのか。政府の有識者会議の座長を務める菊池馨実(よしみ)・早稲田大教授(社会保障法)に聞きました。

衣食住が足りていれば十分か

 ――なぜいま孤独・孤立対策なのでしょうか。

 孤独や孤立が、社会的な課題だと認識され始めたのは、世界的にも1990年代以降の最近のことです。

 日本や先進国では社会保障制度が充実することで、少なくとも最低限の生活が保障される社会がつくられましたが、衣食住が足りていれば、それで十分なのでしょうか。

 経済的な困窮やそれに伴う孤独死、80代の親と50代の引きこもりの子が同居して社会的に孤立する8050問題など、「孤独・孤立」に関わる問題は多岐にわたります。

 そこで、「孤独・孤立」に社会が向き合い、解決すべき課題ではないかと、認識されるようになりました。社会が成熟してきた一つの表れで、大きなことだと思います。

いくつもの困りごとを抱えた人たち

 政策の流れもありました。2…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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