聞き手・田中聡子
松下幸之助、本田宗一郎、稲盛和夫――。「カリスマ経営者」とされる人たちの言葉が、長く読まれ続けています。時代も、置かれている環境も異なる人たちの言葉が、なぜ響くのか。自己啓発書を研究対象とする、社会学者の牧野智和さんに話を聞きました。
一度は底を打ったように見えたが
――「カリスマ経営者」の人生訓や生き様などが流通するようになったのは、いつごろからなのでしょうか。
「『カリスマの言葉』がありがたがられるのは、長く続いていることです。日本における自己啓発書の草分けと言える明治初期の『西国立志編』でも、ニュートンやナポレオン、ワシントンなどの歴史上の『格言』やエピソードが紹介されています。実業家と言われる人の格言も、近代以降、ずっと読まれてきたはずです」
記事後半では、「自己啓発は自己責任化を招くのではないか」という問いにも牧野智和さんが答えています。
「しかし、今日読まれている…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル