「なぜマスクをつけるの?」と尋ねてくる子どもたちに、理由を説明してもなかなかつけてくれない。山梨県甲府市の印刷会社に勤める母親は、「楽しく学んでもらおう」と発案。新型コロナウイルスの感染予防に役立つかるたとして結実し、自社の商品になった。
印刷会社「オズプリンティング」の社員、小沢美寿々さん(36)。商品名は「感染症予防かるた」だ。
山梨県内でも感染者が日に日に増えていた4月中旬、3人の子どもたちから「なぜマスクをしないといけないの?」「うがいは1回ではいけないの?」と質問されるようになった。
繰り返し説明しても、子どもたちはなかなかマスクやうがいをしてくれない。そこで、勤務先にかるたを作った実績があることを思い出し、感染予防の正しい知識を楽しく学んでほしいと発想した。
「3密は なるべく避けよう 意識して」「アルコール 消毒で手を 清けつに」
読み札は厚生労働省のホームページなどを参考に、できるだけ分かりやすい言葉を選んだ。絵札は子どもたちの目を引くようにカラフルに仕上げた。
かるたの試作品ができあがり、実際に子どもたちに遊んでもらうと、予想以上に夢中に。何度も遊び、自然に予防策が身につき、実践してくれるようになったという。
「感謝をしよう 命懸けてる 医療従事者」「見極めよう 信用できる 情報を」
医師や看護師らへの中傷、ネット上に間違った情報があふれていることなど、今の社会問題に触れた句も盛り込んだ。
小沢さんは「『ウィズコロナ』時代で意識するべきことを、かるたを通して、楽しみながら身につけてほしい」と話す。
かるたは46組で、1500円(税込み)。同社かヤフーショッピングで購入できる。売り上げの一部は医療従事者への支援などに寄付する。問い合わせは同社(055・235・6010)へ。(玉木祥子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル