2月2日、札幌市の円山動物園で1匹のニホンザルが死んだ。名は「中松(ちゅうまつ)」。享年35。サルとしては高齢の大往生だった。死ぬ間際まで15年間、「ボスザル」として君臨した。
温厚な性格で体力も衰えていたにもかかわらず、長期の支配を実現できたのはなぜなのか。調べてみると、サル山と人間界に共通する社会構造が浮かび上がった。
冬の円山動物園。ホッキョクグマやオオカミなどを雪景色の中で間近に見られるのが魅力だ。サル山は直径25メートルの円形で中央部には岩山があり、深さ4・5メートルの堀が巡らされている。
17年間で進んだ「少子高齢化」
ニホンザル担当飼育員の石井亮太朗さん(24)を訪ねた。サル山では日当たりのよい壁際で、メスの「し美音(みね)」とオスの「な代太(よた)」らが日光浴していた。
「あの2頭は17歳。人間でいえば中高年ですが、この群れでは最年少です」
記事後半では、サル山の「少子高齢化」が序列にもたらした影響や、ヒト社会との共通点が明らかになります。
同園でのニホンザルの飼育は…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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