菅義偉首相は6日にあった広島市の平和記念式典で、あいさつの一部を読み飛ばした。首相はこれまでも、就任後初めての外遊や、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を出す際の政府対策本部など、大事な局面で発言のミスが目立つ。「話し方」のプロはどう見ているのか。多くの経営者らに話し方を指導している岡本純子さんに聞いた。
――今回のような注目が集まる場で、なぜ読み飛ばしてしまうのでしょうか。
事務方が原稿を作り、それを読むということをずっと続けてきたからだと思います。自分の頭で内容を煮詰めて言語化する作業に、菅さんはあまり慣れていないのではないでしょうか。
《首相は式典で「ヒロシマ、ナガサキが繰り返されてはならない。この決意を胸に、日本は非核三原則を堅持しつつ、核兵器のない、核軍縮の進め方をめぐっては、各国の立場に隔たりがあります」と述べた。「『核兵器のない世界』の実現に向けて力を尽くします」などと誓う部分で、用意していた原稿の一部を読み飛ばした。その後の会見で「おわびを申し上げる」と陳謝した》
――自分で煮詰めた言葉ではなかったから、読み飛ばした際に気がつかなかったのではないか、と?
そうですね。ほかの人が書い…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル