茨城県八千代町平塚の民家で、住人の無職、大里功さん(76)が胸などを刺されて死亡し、妻の裕子さん(73)が腹を刺される重傷を負った事件で、県警は24日午後、殺人事件と断定して下妻署に110人態勢の捜査本部を設置した。同6時から開かれた記者会見で、中山文雄県警捜査1課長と同署の冨沢実署長は「全力を挙げて被疑者の検挙に努める」と表明したが、のどかな集落で起きた凶悪事件で住人たちには動揺が走った。
捜査本部は大里さんの周辺でトラブルがあったことは把握しておらず、犯行が金銭目的だった可能性も視野に、現場で荒らされた痕跡がないかを調べている。また、住宅の窓ガラスなどに割られた形跡はないが、一部鍵のかかっていない箇所もあったという。「この辺は鍵をしめない家が多い。最近は涼しかったし、夜は網戸のままの人も多かったと思う」と話す近所の男性もいた。
事件を聞き、東京から駆けつけたという大里さんの妹は「数年前に泥棒に入られたという話は聞いた。兄は穏やかな人だった」と突然の別れを悲しんだ。
自宅防犯カメラの映像を県警に提供したという近所の男性は「午前3時前にかなりの勢いで走る人影が写っていた。この辺は若者も少ないし、雨も降っていたあの時間に勢いよく走る人なんていない」と話す。
裕子さんのおいは「裕子おばちゃんには小さい頃におむつを替えてもらったり、虫取りをしたりした。助かってほしい」と回復を祈った。
捜査本部によると、県警が捜査本部を設置したのは、平成30年1月につくば市東平塚の住宅で老夫婦2人が殺害された殺人事件以来だという。会見で中山捜査1課長は「被害者のご冥福を祈るとともに、強力な捜査で被疑者の検挙に努める」と言葉に力を込めた。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース