大分県の日田(ひた)玖珠(くす)広域消防組合が、大型はしご車をインターネットの「KSI官公庁オークション」に出品した。全長約10・5メートル、幅約2・5メートルの車両で、はしごは高さ35メートルまで届く。22年間にわたり火事や豪雨災害から住民の命と財産を守った車両が担う最後の任務は、「組合の自主財源確保」だ。
車両本体は排気量2万ccのディーゼルエンジンを搭載した日野自動車製のAT車で定員6人。後輪駆動で4WS(四輪操舵(そうだ))機能やパワステが付く。色はもちろん赤だ。初年度登録は1999年9月。走行距離1万7611キロメートルで、計8輪のタイヤの減り具合はいずれも7分山程度という。
エアコンは送風のみ、オーディオは正常に動かない。放水銃と40メートルのホース2本がつくが、ポンプ機能はなく、赤色回転灯や無線機は取り外してある。
車両は今年4月30日まで稼働し、高所での救助のほか、地域に即した活躍もみせてきた。日田玖珠地域は「日田杉」で知られる木材産地。製材所の火事では、燃える木材チップの山に上から放水した。2017年の九州北部豪雨では、川の氾濫(はんらん)で近づけなくなった民家へ横向きにはしごを伸ばし、住民を救出した。だが、新たなはしご車が導入され、公有財産を有効活用するため出品した。
組合によると、過去に他県の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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