はるな愛描く伝説のゲイボーイ 初監督作「生き方見て」

 アイドルのモノマネでブレークし、テレビで笑顔を振りまくはるな愛。タレントや実業家など多くの顔を持つエンターテイナーが、今度は映画監督に挑んだ。

初監督作「mama」
初監督作「mama」は本編34分とメイキング44分の同時上映。大阪市のシネ・ヌーヴォで6日に先行上映され、来年1月16日から公開。同22日から京都みなみ会館で。

伝説のゲイボーイ 三島由紀夫らと親交

 東京・六本木にあったゲイバー「吉野」のママ、吉野寿雄さん(撮影当時89歳)と、店を訪れた30代の3人の会話を描いた「mama」だ。吉野ママは戦後初とされるゲイバーに勤めた後、1963年に独立。三島由紀夫や美空ひばり、高倉健ら著名人と親交を築いた。はるなとは数十年来の付き合いになる。

 30分の会話劇は「ほぼ台本なし」。戦時中の竹やり訓練、戦後の米兵との付き合い、恋の失敗談――。ママの半生はそのままゲイの歴史だが、軽い語り口は飲み屋の一コマのよう。見る側も店で話を聞いているようだ。「差別や修羅場の経験ですら、ママはお客さんの前で笑い話に変えてしまう。あたしがテレビの向こうで笑ってほしいのと同じかな」

 描こうとしたのは、性的少数者ではなく、自分がどうあるかを探してきた一人の男性の人生。それは、大西賢示という男性に生まれた自身と重なる。

みんな違うから、LGBTの代表なんていない

 はるな愛として暮らしているが、頭の中の男女の比率は「半分ずつ」。取材の日は、黒い服にトレードマークのポニーテールではなく下ろした髪。「これはあたしの中の大西賢示が裏方らしさをプロデュースしてるわけ」とにっこりする。

 かつて悩んだもう一人の自分は…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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