ひきこもり、家族任せは「とっくに限界」 制度改革訴える社会学者

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聞き手・田渕紫織

 内閣府が、ひきこもっている人(15~64歳)が日本に推計146万人いるという調査結果を発表しました。結果を読み解いた明治学院大の関水徹平准教授(社会学)は、「光の当たらない部分」が大切だといいます。

 ――今回の調査で国が使った「ひきこもり」の定義には、ふだんは家にいるけれどもコンビニに出かけたり、趣味の用事で外出したりする人も含まれています。

 ひきこもりと聞くと一般的には家や部屋から出ない状態がイメージされると思いますが、4年前の前回調査(40~64歳が対象)もほぼ同じ定義で、仕事や学校に行っておらず、社会参加の場が限定されている多様な状態を「ひきこもり」ととらえています。前回の調査でも今回の調査でも、家や部屋から一歩も出られない人は少なくて、多数派はコンビニや趣味の用事では外出していました。

 また、「あなたはひきこもりですか?」と聞く調査ではないので、該当者の中には、もしかしたら自分のことをひきこもりだと思っていない人もいるかもしれません。

「光の当たらない部分」が重要

 ――今回、コロナ禍が原因でひきこもり状態になったと答えた人が2割ほどいました。

 ますます、外出頻度だけに着目していては実像が見えなくなってきたと思います。

 本人や家族がひきこもりとい…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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