「えっ!」。奈良市の古本屋のレジで今年1月、金子紅(くれない)さん(48)は思わず声を上げた。
貼り紙に、来月閉店します、とある。
職場から商店街を歩いて5分。自分の部屋のような店だったのに……。
「思い詰めていました」
受験競争で燃え尽きて入った大学は、めざす学部だったわけでもなく、ズルズルと卒業した。
初めてこの店を知ったのは、就職も進路も決まらずに苦しかった24歳のころ。外出に引け目を感じ、高校の友人から電話がかかってきても出られない。
早く社会に出なければと思う…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル