ひったくり犯に狙われた街、今は昔 スーツケースの音が風景を変えた

 大阪市内で最大の繁華街の一つ、ミナミ。その中心である道頓堀から東に数百メートル行くと、中央区島之内(しまのうち)地区に入る。飲食店は少なくなり、マンションや中小の事業所が多い一角だ。

 「ここはかつて、『日本一のひったくり道路』なんて言われていたんです」

 40年以上ここで暮らし、地元自治会の事務局を務める川口渇弘(かつひろ)さん(77)は話す。

 発生が多かったことは大阪府警のデータからも明らかだ。2008年(48件)から17年(15件)まで、府内の地域別では島之内が最多だった。

20年前の体験「恐ろしさ消えない」

 ミナミと目と鼻の先にある島之内には、繁華街で働く人が多く暮らしている。

 かつてよくひったくりに狙われたのは、そういう人たちが夜、勤務を終えて帰ってきたころだった。

 ミナミでスナックを営み、かつて島之内に住んでいた女性(70)=奈良県生駒市=は、約30年前の被害体験を語ってくれた。

 初秋の夜だった。店の営業を終え、午前4時ごろ、売上金約20万円が入ったバッグを肩にかけ、暗い路地を歩いていた。少し酔っていた。

 「音も気配もなくて。あっ、と思った一瞬やった」

かつてひったくり多発エリアだった大阪市の島之内地区。しかし、今は様子が違います。記者が現場を歩いてみると、ひったくり激減には思いもしない要因が絡んでいました。

 突然ぐっと体がこわばった…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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