〈出産を経験している者として黙っているわけにはいかない。私は絶対に納得できません〉
自宅リビングのパソコンに向かうこと10分。神奈川県に住む渡辺小百里さん(36)は今年2月、A4で2ページの意見書を一気に書き上げた。宛先は最高裁だった。
ツイッターで、その事件のことを知った。「またこういう事件が起きたんだ」。悲しい気持ちがこみあげた。
2020年11月15日。ベトナム人技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リン被告(23)は、熊本県の自宅で双子を死産した。
遺体をタオルに包み、赤ちゃんの名前やおわびの言葉を書いた手紙を添え、部屋にあった段ボール箱に入れた。
「妊娠がわかればベトナムに帰国させられる」。リン被告はそう考えて妊娠を周りに相談せず、病院も受診しなかった。
死産した翌日の16日、被告は病院に連れて行かれ、そこで出産を明かした。
3日後の19日、死体遺棄の疑いで逮捕された。裁判で一審、二審ともに有罪になり、最高裁に上告した――。
「なぜ彼女を罰するのか」。出産を経験した女性らを中心に、たくさんの人が最高裁に意見書を出しました。「リンさんだけの問題ではない」と、意見書に込めた思いを取材しました。
「なんでこれが有罪になるの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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