中央自動車道(東京都)にかかる緑橋の耐震補強工事で昨秋、ひび割れが見つかり、本来入っているはずの鉄筋が入っていなかったことが発覚した。「驚きを禁じ得ない」。第三者委員会の報告書は施工体制のずさんさをそう指摘し、費用の高騰や担当者の急な交代、それにかかわる衆院議員の存在などにも言及した。いったい何が起きていたのか。
問題となったのは、NEXCO中日本(ネクスコ中日本)が発注した、中央道にかかる七つの橋の耐震補強工事。大島産業(福岡県宗像市)が2018年8月~20年10月の期間で一連の工事を請け負った。
このうちの一つ、日野市の緑橋の施工部分でひびわれが見つかった。その後の検査で、上下線で計225本あるはずの鉄筋が、176本しかないことが発覚。さらに、別の二つの橋でも計25本の鉄筋不足が確認された。調布市の絵堂橋では最も重要な「主鉄筋」6本を含む計12本が切断されていた。
中日本は耐震性に問題があるとして自ら工事をやり直し、昨年11月、調査のための第三者委員会を設置。大学教授や弁護士ら5人が計11回、8カ月間にわたって社員ら52人からの聞き取り調査などを行った。
7月30日に公表された調査結果からは、様々な問題点が明らかになった。
まず、通常、施工段階で行わ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル