新型コロナウイルス感染拡大で影響を受けた教育や福祉、商工観光分野などへの支援を目的に、奈良県生駒市がふるさと納税の使い道として新設した「コロナに立ち向かおうコース」に申し込みが殺到している。約1カ月で800万円超が寄せられ、市行政経営課の担当者は「ここまでの寄付が集まるとは考えていなかった」と驚きを隠さない。
市はふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」などで、寄付金の使い道をテーマ別に選択できる「ふるさと生駒応援寄付」を実施。今年度は、生駒市誕生50年を祝おう▽子どもたちの読書環境充実-など11のコースを設けた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言を受け、「寄付したい」という電話が相次ぎ、市は急(きゅう)遽(きょ)、4月28日に12番目となる「コロナに立ち向かおうコース」を新設。当初は「行政が支援を求めるのはどうなのか」という慎重論もあったが、担当者は「窓口を設置することで、より困っている方への支援が充実するのではと考えた」と説明する。
市によると、例年は、市長におまかせ▽殺処分ゼロを目指す猫等愛護コース-が人気という。返礼品で一番人気の「レインボーラムネ」(イコマ製菓本舗)の受け付けが5月8日に始まった影響もあるとみられるが、コロナ支援の新設コースには今月1日現在、全国から448件、計800万9千円の寄付が集まっている。「コロナに負けるな」「一緒に立ち向かいましょう」といった応援メッセージも合わせて届き、中には返礼品を辞退する人もいるという。
市が平成30年4月に返礼品を取りやめて以来、市内の事業者や市民からの寄付件数は減っていたが、同コースに寄せられた寄付総額の約1割が市民らからという。
寄付金は今後、担当課と調整し、感染予防などが必要な教育や福祉分野などのコロナ対策に振り分けられる。担当者は「緊急事態宣言は解除されたが、第2波が来る可能性もある。今回の寄付はありがたく、感謝の気持ちしかない」と話した。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース