お歳暮や正月の贈答品として人気の高級珍味、からすみ作りが長崎市で最盛期を迎えている。
長崎で最も古いからすみ屋「高野屋」の干し場では、天日干しされたからすみが、べっこう色に染まり始めている。
塩漬けにしたボラの卵巣を一昼夜かけて真水で塩抜きし、1~2週間かけて天日干しをおこなって完成する。関東を始め、全国に出荷される。
高野正安社長(60)は「深い味わいで『海のチーズ』といわれる、からすみを食べて、良い年を迎えてほしい」と話す。
近年、県産のボラが減り、豪州・米国産が多くを占めるようになったが、長崎近海で捕れたボラの卵巣でつくったからすみは、より濃厚で出回る数が少ないため貴重だという。近海で捕れたボラのからすみ作りは、暑さが続いたため、例年より2週間遅れの11月中旬に始まった。
1675年に創業した高野屋が約300年前、長崎近海で捕れたボラの卵巣でつくった「野母からすみ」を将軍家に献上したことから、長崎の名産品として広く知れ渡るようになったという。(日吉健吾)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル