まるで山腹の要塞、10年がかりの撤去工事 高速道路トンネルの巨岩

角津栄一

【動画】上信越自動車道のトンネル上部にある巨大な岩塊の撤去工事=増田一輝撮影

 群馬県安中市上信越道北野牧トンネル入り口付近に、高さ約70メートルの巨大な岩塊がそびえている。断崖絶壁の状態で、将来的に落石の恐れもあることから、東日本高速道路は今月から岩を撤去する工事に着手する。現在、掘削工事に向けて岩を覆うように足場が組まれており、山腹に築かれた要塞(ようさい)のようにも見える。

 北野牧トンネルは、松井田妙義インターと碓氷軽井沢インター間にあり、長さ190メートル。1993年に供用が始まった。

 巨大な岩塊は、トンネルの長野県側の入り口の上にある。96年に北海道で発生したトンネル崩落事故を受け、北野牧トンネルでも岩盤を調査した結果、将来的に落石のリスクが確認されたため、対策方法を検討して2014年、岩塊を除去する方針が決まった。

 工事は17年から始まっている。岩塊はトンネルと反対の裏側から掘削して運び出す。撤去する岩は約9万5千立方メートルとなる見込み。

 周辺は急峻(きゅうしゅん)な地形で、運び出す通路や、大型トラック2台を載せられるエレベーターが建設された。岩塊を撤去し、工事全体が完了するのは5年後となる見通しだ。(角津栄一)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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