文・向平真 写真・伊藤進之介
何重もの扉を越え、地下の空間に下りていく。まっすぐな廊下の奥に、数字の付いた扉がいくつも並ぶ。宇宙船? 研究所? SF映画のような場所に眠っていたものは……。
神奈川県相模原市の住宅街。米軍施設跡の1・49ヘクタールに、ひっそりと3棟の建物が立つ。エレベーターで地下に降り、何重もの気密扉を抜けると、廊下の奥まで扉が並ぶ。中には電動棚が左右に広がり、銀色のフィルム缶が棚に並ぶ。多くを占める35ミリフィルムは、直径39センチ、高さ4センチ。
国立映画アーカイブ相模原分館は国内最大規模の映画フィルムの保存庫だ。動画配信、テレビ放映、DVDと、私たちが過去の映画に触れる機会は多い。だがこれは、デジタル技術が普及した20年ほどのこと。実はこれまでに数多くの映画が失われてきた。
かつて、古い映画をかける名画座では、傷だらけで場面も飛び飛びのまま当たり前のように上映されていた。フィルムはもろく、傷つきやすい。しかも日本のように高温多湿な環境では、長期間常温で放置すると、それだけで劣化してしまう。特に戦前の作品は、10%も残っていないという。
記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。2月26日(日)締め切り
同アーカイブで安定した保存…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment