山下裕志、稲垣千駿
みずほ銀行は20日、システム障害が新たに発生し、全国の約460店舗の窓口で入金や振り込みなどの取引の受け付けや処理ができない状態になったと発表した。店舗が開いた後の午前9時50分ごろ、一部の取引をのぞいて復旧した。みずほ銀のシステム障害は今年に入り5度目だ。同行は午後にも記者会見を開き、詳しい原因などを説明する方針。
同行によると、19日夜に店頭業務に関わる機器に障害が発生。同じ機器を使うみずほ信託銀行の約60店舗も含め、システムを使用する店頭の幅広い業務が停止した。
両行は、顧客に対してはATM(現金自動出入機)やインターネットバンキングの利用を促し、手数料の差額はみずほ側が負担するとした。ATMの利用限度額を超えた現金の出金や融資の一部などは一時、対応できなくなった。
みずほ銀は「お客さまに多大なご迷惑をおかけしておりますことを深くおわび申しあげます」とのコメントを出した。
みずほ銀ではことし2月から3月にかけて、ATM障害など4件のシステム障害が相次いだ。第三者委員会の報告を受け、親会社みずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長や藤原弘治・みずほ銀頭取らグループの役員11人を減給処分とし、再発防止を誓った矢先だった。過去には2002年と11年にも大規模なシステム障害を起こしている。
東京都新宿区にある、みずほ銀の飯田橋支店では20日午前、行員が来店者に「システム障害のため窓口での取引ができない状態になっています」と呼び掛けていた。
店舗を訪れた40代の男性会社員は、取引先への振り込みを諦めて別の銀行に向かった。今回は問題なかったが、20日までに振り込む必要がある取引先もあったといい、「金曜だから週明けまで何もできないし、20日締めだったらお手上げ状態だった」。度重なる障害に「いくらなんでも多すぎる。システムの専門家が少ないとか、態勢がしっかりしていないんじゃないか」と苦言を呈した。(山下裕志、稲垣千駿)
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みずほ銀行の2~3月のシステム障害 2月28日の日曜日、稼働予定だったATMの8割にあたる4318台が止まり、通帳やカードが取り込まれたままになる被害が5244件起きた。定期預金のデータ移行に伴う容量オーバーが原因。インターネットバンキングの取引が成立しなかったり、外貨建て送金が遅延したりするなど4件の障害が2週間で相次いだ。坂井辰史・みずほFG社長や藤原弘治・みずほ銀頭取らグループの役員11人を減給処分とした。みずほ銀は2002年と11年にも大規模なシステム障害を起こし、金融庁から業務改善命令を受けた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル