みんながくれた引退試合 唯一の女子硬式野球部員、駆け抜けた2年半

 第104回全国高校野球選手権島根大会の開幕が迫り、球児たちが甲子園を目指して最後の追い込みに入るなか、一人の3年生の「引退試合」があった。大好きな野球を全力で楽しんだ2年半。仲間や恩師、家族への感謝を胸に、静かにバットを置いた。

 6月15日夕、県立浜山公園野球場(島根県出雲市)。出雲北陵3年の川上瑞希さん(17)は、この日の出雲工との練習試合を特別な思いで迎えた。県内の硬式野球部で、男子と一緒に活動する唯一の女子選手。高校でプレーするのは最後になるからだ。

 「1番・左翼」。電光掲示板に表示された自分の名前を見つめ、気合を入れた。これまで何度も練習試合に外野手や投手として出場してきたが、みんなが用意してくれたこの日の舞台は特別だ。

 「今までやってきたこと、全てを出し切る」。打撃でも、守備でも、ベンチでも、どんな場面でも全力を出す――。出雲北陵のモットー「全所懸命」を貫き、グラウンドを駆けた。

川上瑞希さんの特別な舞台が始まりました。そして試合後、みんなの前で2年半の思いを口にしました。記事後半で紹介します。

 野球を始めたのは小学3年生…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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