国内最大級の菊の祭典「二本松の菊人形」が、福島県二本松市の霞ケ城公園ではじまった。今年のテーマは、NHK大河ドラマの主人公と同じ「徳川家康」。今夏、日本列島を襲った記録的な暑さは菊にもダメージを与えたが、苦境を乗り越えた花が来場者を出迎える。品評会の対象となる競技花や、職人による特殊な栽培技術で育った花もあり、奥深い菊の世界に触れることができる。
初日の10日。黄色や赤、ピンクといった鮮やかな生花の菊を着物にまとった人形の前で、来場者は一緒に写真を撮ったり、顔を近づけて細部に見入ったりしていた。
今年は徳川家康の生涯など江戸時代を中心に七つの場面を25体の人形で再現する。豊臣秀吉による天下統一の一環である領地再編の「奥羽仕置(しおき)」で、家康が豊臣秀次とともに二本松城を訪れた場面もある。11月19日までの期間中、入れ替えも含めて約2万株の菊が並ぶ。
展示のもう一つの見どころが、二本松に伝わる特有の技術で栽培される「千輪咲」。一つの茎から枝分かれさせ、ドーム状に花を咲かせる。株の選定を含めれば3年の時間がかかり、二本松市でも栽培できる職人は3人だけだ。
例年は主催者の二本松菊栄会…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル