めざせ、花いけバトルの甲子園 僕らが見つけた新たな「居場所」

【動画】「花いけバトル」に挑む高校生=上田潤撮影

 まだ青く、色づく前の広島県産のモミジ、赤や黄色のバラ、菊の花、流木、竹――。昨年7月、「全国高校生花いけバトル広島大会」のステージに数十種類の植物が並んだ。参加する高校生らが「バトル」で使う花材の山だ。

 「大会最後のラウンドです。悔いのない花いけを!」

 大会MCの男性の声が響き、ゴングが鳴る。広島市西区の広島工業大学高校2年、太尾田(たおだ)悠斗さん(17)は花材の山にダッシュして花をかき集め、背後の大きな花瓶に生け始めた。

 2017年に始まった「全国高校生花いけバトル」は、制限時間5分以内に2人1組で花を生け、できばえを競う大会だ。地区大会では審査員3人が持ち点100点で評価する。作品の完成度だけでなく、所作なども審査の対象だ。観客によるジャッジもある。

 この日、太尾田さんは1年生の女子生徒とペアを組み、予選ラウンドと準決勝は僅差(きんさ)で勝ち抜いた。

 迎えた決勝では先鋒(せんぽう)と次鋒(じほう)に分かれ、個人作品の合計点を競う。先鋒戦で4点を追う結果になったが、次鋒の太尾田さんに点差を意識する余裕はなかった。「まさかこんなところまで来るとは……。頭が真っ白でした」

部員16人、全員初心者の強豪

 太尾田さんは1年の春、バド…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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