「海のパイナップル」とも呼ばれるが、「臭い」「苦い」などといわれ、敬遠されがちな海の食べ物、ホヤ。東北の太平洋側ではなじみのある食材だが、ほかの地域での知名度はいま一つ。そこで、生産量日本一の宮城県の業界関係者がブランド化をめざし、「極み」をつくった。取り組むなかでホヤの弱点もわかった。
ホヤ生産の中心地で太平洋に面する石巻市で発表会が開かれたのは5月31日。「ほやの極み」と名付け、ブランド展開を始めるという内容だった。
会場に行くと、試食品が配られた。小さな容器に3切れ。オレンジ色が美しく、パイナップルというよりはマンゴー。口に入れると爽やかな磯の香りが広がり、臭みや苦みはほぼない。ほんのりと塩味がして、食感も味も生がきに似ている。石巻に赴任して初めてホヤを食べ、1年あまりたつが、正直、ここまでおいしいホヤは食べたことがなかった。
ブランドづくりをしかけたのは、宮城県内の加工業者や県、県漁協などでつくる「宮城ほや協議会」(田山圭子会長)だ。遠隔地にホヤを運ぶと、鮮度が落ちてしまう原因を探ろうと、宮城大の協力で様々な条件を変えて試食した。
分かったホヤの弱点は「真水…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル