もがいた痕跡に「下手に動かすと危険」 女性救った新聞配達員の機転

安田琢典

 玄関先で倒れていた独り暮らしの高齢女性を救助したとして、朝日新聞などを配達する青森県むつ市の高見新聞店が24日、宮下宗一郎市長から礼状を贈られた。同店は日頃から高齢者の安否を気遣っているといい、高見公也代表(62)は「何かあったら連絡するよう従業員に徹底してきた。これからも頑張る」と喜んだ。

 助けたのは同店社員の竹林厚志さん(46)。バイクで配達中だった今年10月末の午前4時、同市奥内の一戸建て住宅の玄関前で、うつぶせで倒れていた女性を発見。「大丈夫ですか」と声をかけると、「起きられない」と答えてきた。

 周囲の地面には、必死にもがいたような痕跡があった。「下手に動かすと危ないかもしれない」と考えた竹林さんは、近所に住む2人を呼ぶとともに、救急車を手配。こうした機転が奏功し、一命を取り留めた。女性が前日夕から倒れていたことを知った竹林さんは「あの日は冷え込んでおらず、雨も降っていなかった。幸運が重なった」と振り返った。

 同市は2014年度から高齢者等見守りネットワーク事業を展開。業務中に高齢者の異変を察知した場合、市に通報するシステムに、同店など113事業者が参加している。礼状を手渡した宮下市長は「日頃から見守ってもらっていることの結果。これからも高齢者の変化に気をつけてほしい」と話した。(安田琢典)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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