「密」を避けて楽しめると、コロナ禍で加速した登山ブーム。幅広い年代の人が野に山に繰り出しています。周囲に人工物のない大自然が魅力ですが、もしその中で地震が起きたら――。実際の経験談や専門家への取材から考えます。
2021年9月19日午後5時ごろ。神奈川県の会社員の20代男性は憧れていた場所に立っていた。眼下に、うっすら雲をかぶった山の尾根がどこまでも広がって見え、思わず「すげぇ」と声がもれた。
北アルプスを代表する山、槍ケ岳(3180メートル)山頂。学生だった17年に登山を始めて以来、いつか登りたいと思い続けてきた。
この日は山仲間2人と午前6時前に入山。行程は夕方に登頂後、山頂から少し下ったキャンプ地で一晩過ごし、翌日昼に下山するというものだった。安全のためヘルメットをかぶり、十分な食料も用意して登り始めた。
休憩を挟みつつ、10時間以上かけ登った。山頂直下は岩が積み重なった急勾配。鉄製のハシゴを登り終えると、約10畳の開けた山頂で5~6人が写真を撮っていた。その姿を横目にしばらく風景を眺めた。
そして自分たちも記念撮影をしようと思った、その時――。
山頂で激震「もしハシゴを下っていたら」
ドン! 足元から突き上げら…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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