ビートルズは2022年にデビュー60年を迎える。「ビートルズがいない世界」を描いた2019年の映画「イエスタデイ」では、オアシスなどその後の著名ミュージシャンの多くが消失した。ビートルズがいなければ、世界は違ったものになっていただろうか。彼らが残したものは何だったのか考える。
曲の寄せ集めにすぎなかったアルバムに、統一性や物語を持たせる「コンセプトアルバム」を作り上げたことは、音楽アルバムを芸術の領域へと押し上げた。加えて、ロックにオーケストラを取り入れたことは、後のピンク・フロイドやキング・クリムゾンのようなプログレッシブロックにつながった。
実験性はサイケデリックロックや現代音楽など様々な分野に広がり、ポップなメロディーを持ったロックは、デヴィッド・ボウイやオアシス、ニルヴァーナなどへと受け継がれた。
日本では、ビートルズの影響で1960年代にはタイガースやスパイダースなどのグループサウンズが生まれ、70~80年代には松任谷由実、中島みゆきなどのニューミュージックや、サザンオールスターズ、佐野元春などのロックに影響を与えた。
90年代には、Mr.Childrenやスピッツ、奥田民生、「渋谷系」という一ジャンルを築き上げたピチカート・ファイヴらに大きな影響を与えた。
「広い意味でビートルズの影響から逃れられるポップミュージシャンはいない。もはや自覚していないレベルにまで、空気のように広がっている」とビートルズのDNAを持ったアーティストのコンピレーションアルバム「Power To The Pop」シリーズを手がける音楽評論家の岩本晃市郎氏は語る。
「人種隔離をやめない限り、コンサートはやらない」
近年ではどうか。ライターの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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