外国にルーツがある「日本代表」は珍しくなくなったが、見た目などで「違和感がある」といった声はいまだ消えない。「日本人」って誰なんだろう。そんな疑問を漫画で問いかける「アフリカ系関西人」の星野ルネさんに思いを聞いた。
カメルーンに生まれ、幼い時に母が日本人研究者と結婚して、4歳になる直前から兵庫県姫路市で育ちました。弟や妹は日本国籍で、僕だけカメルーン国籍です。日本国籍を取るのは書類の用意などが面倒で。それだけ。特に意味はありません。なに人かと意識することもあまりなく、あえて言うなら「アフリカ系関西人」です。
日本人はあまり「アジア系」って言わないけど、アフリカは連帯感がわりと強くて、「アフリカ人」という意識がある。関西人っていうのは、自分のベースにある思考や価値観です。苦労やつらい体験も、笑いに昇華させる文化がある。僕の経験を描いた「まんが アフリカ少年が日本で育った結果」も、自分がそうやって乗り越えてきた証しなんです。
漫画で描くことはすべて実話です。アフリカ系というだけで、英語がしゃべれる、足が速い、と思われる。「小学校から高校まで日本です」と言っているのに、「新選組もわかるの? すごいわね~」って。見た目から来る先入観は、なかなか変わらないですね。
でも、若い子はぜんぜん違う…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル