このまま稲作を続けられるのか――。水田に亀裂が入り、農機具が損壊した石川県能登地方のコメ農家は岐路に立たされている。能登半島地震の農業被害の全容は今も分からないが、自宅の損壊で集落から離れた農家も多く、耕作できない可能性もある。
輪島市門前町で10年ほど前からコメ作りをする竹内毅さん(41)の田んぼは液状化し、水路も壊れた。農機具小屋は倒れ、コンバインやトラクターが下敷きになった。
「田んぼのゆがみが激しい。これでは地震前の収穫量は確保できないかもしれない。心は折れています」
2007年の能登半島地震でも被災した。その年、亡き父は地区の期待を背負ってコメ作りを続け、「能登がんばる米」と銘打って販売した。だが、本音では「前のようにコメがとれない」と悩んでいた。実際、地割れが起きた農地を直したが、収穫量は思うように回復しなかったという。
竹内さんは行政の支援に期待するが、稲作を続けるかどうか思いは揺れている。
能登地方は山間部を切り開い…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル