大阪、京都、兵庫の関西3府県に対し、3度目の緊急事態宣言が出されることが決まった。ゴールデンウィークの集客を期待していた文化芸術やエンタメ業界の拠点施設は、一転して休演などの対応に追われた。
兵庫県立美術館(神戸市)は、25日から5月11日まで臨時休館することを発表した。重要文化財の茶道具など新たな収蔵品を披露する展覧会が24日に開幕するが、1日で休館に入ることになる。
京都市京セラ美術館(京都市)の担当者も「休館も視野に準備している」。昨春の改装オープンを、コロナ禍で5月下旬まで延期しただけに、「古代エジプト展」「るろうに剣心展」の二つの大型展示を構えた今年の大型連休にかける期待は大きかった。1日約3千人の来場を見込んでいたが、「美術館だけ特別というわけにはいかない」。
博物館でも、国立民族学博物館(大阪府吹田市)は25日から当面の間休館すると発表した。
映画館では、チケットの予約を一時的に休止するなどの動きがでている。「TOHOシネマズ」は、23日から全国で座席指定券の事前販売を停止し、当日券のみを販売している。
ミニシアターでも大阪市の「第七芸術劇場」は、緊急事態宣言で人の流れが止まることを念頭に、いくつかの新作の公開延期を検討している。
吉本興業は「なんばグランド花月」「ルミネtheよしもと」をはじめとする大阪、東京、京都の9劇場などで予定していた25日からの公演を、中止・延期か無観客配信に変更すると発表。上方落語協会は、寄席「天満天神繁昌(はんじょう)亭」(大阪市)を25日から休館し、5月11日までに予定していた全公演を中止するとした。落語家桂ざこばさんが席亭の寄席「動楽亭」(同)も25日からの公演の中止を決めた。
伝統芸能の能楽を上演する大槻能楽堂(大阪市)は、24日と5月8日の自主公演を中止にした。客と出演者の安全を最優先に考えた結果という。
図書館では大阪府立図書館が期間中、府立中央図書館(東大阪市)、府立中之島図書館(大阪市)をいずれも休館する方針。郵送(ゆうパック着払い)による図書貸し出しサービスは引き続き利用できるという。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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