よみがえった芝居小屋 大衆の「永遠の楽しみ」は皿そばと共にあり

 はるか昔にタイムスリップしたかのようだ。眼前に迫る舞台、壁に並ぶ昭和30年代の広告看板、観客席から手が届きそうな花道、人力で回す舞台装置……。

 兵庫県豊岡市出石(いずし)町にある「出石永楽館」は、近畿最古の芝居小屋だ。

【撮影ワンポイント】出石永楽館

16ミリの広角レンズで手前の看板を強調した。柱の垂直線がまっすぐ出るよう注意し、床を傷つけないよう手持ちで撮影した。(林敏行)

 今年9月には、コロナ禍をはさみ4年ぶりに片岡愛之助さんが座頭を務める恒例の「永楽館歌舞伎」が開かれる。

 館長の赤浦毅さん(47)は「永楽館は町に不可欠の存在。ここで上演される愛之助さんの歌舞伎は町の風物詩」と話す。その世界に入り込んだ私には、建物脇の道を走るトラックの騒音が「落雷」の効果音に聞こえた。

なぜ一度は閉じ、なぜ再び開かれたのか

 1901(明治34)年、地…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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