4月に火災に見舞われたパリの世界遺産、ノートルダム大聖堂でかつて演奏されたパイプオルガンの音源が8月3日、福岡市博多区のホテル日航福岡でよみがえる。同ホテル専属オルガン奏者、池田泉さん(59)が演奏したもので、大聖堂再建への願いを込める。
オルガンは、5段の鍵盤に約8千本のパイプ、音色を変える約120もの「ストップ」を備える。日本の室町時代にあたる1400年代に建造が始まった。絢爛(けんらん)たる王朝時代や革命期を生き延び、改修を重ねながら数世紀にわたり音楽史を牽引(けんいん)してきた。世界中の演奏家の憧憬(しょうけい)の地でもあり、荘厳な音を奏でることを許される奏者は限られる。
池田さんは2004年と11年、17年の計3回、演奏機会に恵まれた稀有(けう)な存在だ。きっかけは、知人でもあるノートルダム大聖堂の専属奏者の招きだった。音を出せるのは、拝観の終わった後の夜のみ。無人の大聖堂で、演奏会に向けた練習をひたすら重ねた。
「演奏台で聴くと耳のつぶれそ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル