三木一哉 阿部浩明
北海道函館市は、函館ゆかりの偉人をモチーフにした2次元の偉人アイドルグループ「HAKOMEN(ハコメン)」をデビューさせた。公式ウェブサイトを開設し、動画サイトでミュージックビデオも流している。函館は人気アニメ「ラブライブ!」の舞台となった「聖地」としてもファンに知られており、アニメを活用した新たな観光キャンペーン策として市は集客に期待する。
「ハコメン」のキャラクターは新選組の土方歳三、旧幕府軍の榎本武揚、五稜郭の設計者・武田斐三郎、黒船で来航した米海軍提督ペリー、函館を愛した歌人石川啄木の5人。国宝・中空土偶の力で現代に呼び戻された偉人たちが、函館のためにアイドルグループを結成し、函館の魅力を発信していくというストーリーだ。公式チャンネルではデビュー曲「君とHAKO☆DATE(ハコデート)」がリリースされた。
函館市観光誘致課によると、アニメの舞台を「聖地巡礼」で訪れるファンは、個人や仲間同士の小グループで訪れることが多いという。コロナ禍で団体ツアーの集客が難しいなか、オンラインによる新たな観光客の開拓のため、「ハコメン」の活躍に期待する。公式ウェブサイトは、https://www.hakobura.jp/hakomen_official/(三木一哉)
ホテル館内を「幕末の装い」
新選組の屯所(詰め所)があった旧称名寺の跡地に立つ北海道函館市大町の函館元町ホテルが、館内の装いを「激動の幕末」のイメージに変えて宿泊客を迎えている。
箱館戦争を戦った土方歳三の終焉(しゅうえん)の地・函館は新選組ファンにとって「聖地」の一つ。コロナ禍で落ち込んだ客にアピールしようと、司馬遼太郎原作の映画「燃えよ剣」の公開に合わせて、幕末を演出する写真や絵を飾った。
玄関で出迎えるのは鬼の副長・土方や、榎本武揚が率いた江戸幕府の軍艦開陽丸。国旗を掲げた各国領事館など開港間もない箱館や、新政府軍による箱館総攻撃の模様を描いた古い絵なども大きく引き延ばして掲げた。
蔵を生かした客室「屯所の庵(あん)」もあり、遠藤浩司社長は「幕末の志士たちが寝起きした場所で、往時に思いをはせ、同じ空気感を味わってもらえれば」。(阿部浩明)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル