安田琢典
リンゴの産地、長野県安曇野市のご当地グルメが、今年で登場から10年目を迎えた。地場産リンゴとナポリタンスパゲティの意外な組み合わせから誕生した、その名も「安曇野林檎(りんご)ナポリタン」。各店が工夫を凝らした味わいで人気が広がり、同じ組み合わせのメニューがリンゴの産地、青森県にも登場した。
安曇野林檎ナポリタンは2013年、市内で開かれたイベントでお披露目された。「B級ご当地グルメを作って売りだそう」と考えた市が旗を振り、松本大学や地元調理師会などの協力で2年をかけて開発した。
市内で生産されたリンゴを使っていれば、市外の飲食店でも提供できるよう間口を広げ、いまや参加店は市内と松本市の13店。年間を通して提供する飲食店もあれば、リンゴの収穫が本格化する9月から翌年3月までの期間限定で提供する店もある。
リンゴの使い方は飲食店が工夫を凝らし、市観光課の佐伯峰波主任は「ジャムにして混ぜたり、角切りにしてそのまま加えたり。ペースト状のつけ汁にする店もあるなど、それぞれの個性が出ている」と話す。
市の取り組みは、全国トップのリンゴ生産量を誇る青森県にも波及した。安曇野林檎ナポリタンを参考にした同県弘前市の飲食店のグループが、昨年からリンゴを使ったナポリタンの提供を始めた。佐伯主任は「全国のリンゴの産地でご当地グルメになれば、安曇野市が発祥の取り組みとして知名度の向上につながる」と期待を寄せる。
同市は10年目の節目に、ナポリタンがあしらわれたトートバッグを、12の参加店を通じて先着200人に配るキャンペーンを始め、発祥の地としてさらなる知名度アップをめざしている。問い合わせは安曇野市観光課(0263・71・2053)。(安田琢典)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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