過去に生徒にわいせつ行為をしたとして懲戒免職処分になった履歴を隠して働いていたなどとして、埼玉県教育委員会は22日、富士見市内の公立校の講師(62)を同日付で懲戒免職処分にし、発表した。講師は約30年間、県内の中学校や特別支援学校で講師や教諭をしていったん退職しており、退職手当の返還を求めるという。
県教委によると、講師は福岡県内の中学校の教諭時代に生徒にわいせつ行為をしたとして、1985年に懲戒免職処分を受けた。その後、埼玉県で88年に講師として臨時採用され、90年から教諭として特別支援学校など計5校で勤務。2018年2月に自己都合で退職したが、昨年8月に再び臨時採用された。いずれの採用時にも処分歴などを書類に記載していなかったという。
懲戒免職で教員免許を失った教員の名前などが調べられる「官報情報検索ツール」で2月から過去40年分が対象になると知り、「うそがばれる」と思って1月に自ら申し出た。ただ、当時は教員免許を失っていなかったため、このツールでは講師の処分歴は分からないという。
講師は県教委に対し「子どもが成長する姿を見たかった。本当のことを言わなければいけないと思い、罪悪感があったが、申し出る勇気がなかった」と説明しているという。(山田暢史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル