生徒にわいせつ行為をしたとして懲戒免職となった処分歴を隠して働いていたとして、埼玉県教育委員会は31日、公立中学校で臨時採用されていた男性教諭(47)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。過去に懲戒免職処分を受けて教員免許を失った教員の名前などが調べられる、文部科学省の「官報情報検索ツール」で調べたところ、処分歴が見つかった。
県教委によると、男性は三重県内の中学教諭時代に生徒にわいせつ行為をしたとして、2004年に懲戒免職となり、教員免許を失った。一方、その後に東京都で教員免許の再交付を受け、埼玉県内では08年に臨時採用され、これまで三郷市などの中学校計6校で勤めた。教員採用試験に合格して本採用となり、4月1日から県内の別の中学校に着任する予定だった。
県教委が試験合格者1582人を対象にこのツールで調べたところ見つかった。隠していた理由について「本当のことを書くと採用が難しくなると思った」と説明しているという。
懲戒免職となった教員は失効した免許を最短3年で再取得できる。免許を再取得した教員が処分歴を隠したまま採用されないようにするため、文科省は当初は過去3年間だったツールの検索対象期間を昨年11月に5年間に、今年2月からは40年間に延ばしていた。
文科省によると、検索対象期間が40年間になったことで、わいせつ行為による懲戒処分歴が明らかになった初めてのケースとみられる。
高田直芳・県教育長は「定期的に官報情報検索ツールを活用し、不祥事の根絶に取り組んでまいります」とのコメントを出した。(山田暢史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル