山の中にわなを仕掛け、捕獲したシカの肉を仲間とともにいただく。そんな猟師の営みを、街にいる人たちに模擬体験してもらう取り組みが長野県で行われている。その名も「罠ブラザーズ」。害獣として駆除したシカ肉の有効活用やわなの管理費の確保のため、地元の猟師集団が始めた試みだ。参加者からは意外な反応が寄せられたという。
6月中旬、長野県のほぼ中央部に位置する長和町の山林。「この線がシカが通った跡です」。地元の猟師集団「山学ギルド」のメンバーの一人、猟師の手島昭夫さん(36)が、斜面を指さして教えてくれた。「痕跡をヒントにしてシカが通りそうな場所にわなを仕掛けていきます」。浅く掘った穴にわなを置き、土と落ち葉で隠した。踏むとワイヤが足に絡みつく仕組みになっている。
「わなを仕掛けてから食べるまでが猟。罠(わな)ブラザーズではその全てを体験してもらいたい」。企画者の川端俊弘さん(41)はそう語る。
2万2千円で45日間、わなのオーナーになる
罠ブラザーズの参加者は、1…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル