冬が近づく中、北海道北の宗谷地域にゴマフアザラシが集まり始めている。年間通して港の近くにいる「周年定着個体」もいるが、多くは越冬のために北方から来遊する。岩礁帯でくつろぐ姿は和やかだが、漁業者にはサケやタコなどを食べる「厄介者」でもある。
今月中旬、抜海漁港(稚内市)港内の砂地や消波ブロックの上には、ゴマフアザラシがゴロゴロ。周りで泳いでいる個体も含めると、見える範囲で40~50頭がくつろいでいた。
道によると、昨年度のアザラシなど海獣による漁業被害は約11億8500万円。2010年度以降で最低だった前年度を2割近く下回った。トドは9億5300万円(前年度比94・7%)、オットセイは8900万円(同70・3%)で、アザラシは減り幅がもっとも大きく、1億4300万円(48・0%)だった。
宗谷地域のアザラシ被害は5200万円(前年度比44・0%)で6700万円近く減ったが、漁業関係者は「減ったのは被害が深刻な刺し網漁が減ったから。定置網の秋サケは今年も相当数がやられた」と話す。(奈良山雅俊)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル