アスベストによる健康被害の問題などに取り組む「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京都)は26日、兵庫県尼崎市で会見し、「アスベストセンター賞」を創設すると発表した。対象は写真とエッセー、文芸、研究の4部門。未来の世代へこの問題を伝え、闘病する人やその家族、研究者らの励みとなることを目指す。
「生命を見つめるフォト賞」は主に患者や家族、関連する業務などの様々なシーンをとらえたものが対象で、被写体は人物、自然、アスベストなど自由。未発表の作品に限る。
エッセー賞は2千字以内で、アスベストにまつわるエピソードを募る。文芸賞はすでに雑誌や書籍、ウェブサイトなどに掲載されたものが対象。研究奨励賞もこれまでに発表されたもののなかから選び、今後のさらなる研究をうながす。賞金は各40万~20万円。
賞は2018年にスタートした同センターの「歴史をつなぎ未来を拓くプロジェクト」の一環として企画された。賞金の原資には寄付金を活用。27年度までの5年間の予定で実施する。
市役所で会見した同センターの尾形海子・事務局次長(47)は「未来の人たちに分かりやすく伝えるにはどうしたらいいのか。検討を重ねるなかで賞の創設となった。アスベスト問題は非常に息の長い取り組みが必要であり、被害の突出した尼崎の地であえて発表させてもらった。多くの地元の人たちにこの賞の存在が届いてほしい」と話した。
会見には、同市在住で「アス…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル