編集委員・中島隆
大阪市中央区の本町は、ビジネス街。立ち並ぶオフィスビルの中に、「三皷(みつづみ)ペン字・書道教室」があります。カフェのような雰囲気の中、コーヒーなどを飲みながらの文字のお稽古です。書道家の三皷友華(ともか)さん(30)が3年あまり前、楽しく通ってもらえればと開きました。教室を開く夢をかなえた三皷さんの視線は、いま外国にも向いています。
教室は、とあるビルの5階の一室にある。ドアをあけると、右側にある黒板にドリンクメニューが書かれている。コーヒー、カフェオレ、ミルクティー……。三皷さんら3人の講師のうち、手が空いている人が入れてくれる。
「さあ、お稽古を始めましょう」
三皷さんは徳島出身。4歳のときに鉛筆でひらがなを書き始める。小中は書道教室に通う。高校生になって、教室通いが面倒なので小休止。大学の薬学部に通うが、やりたいことではないと感じて1年でやめ、役場の臨時職員になった。
自分がしたい仕事は何だ――、と考えた。
〈書道教室は?〉
知り合いの教室の先生に相談すると、言われた。
「どんなに下手でも、そこに…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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