2020年東京五輪・パラリンピックの混雑回避策としても注目が高まる「テレワーク」。在宅勤務のまま会議にも参加できる「ビデオ会議(ウェブ会議)」のシステムが普及するにつれ、思わぬ課題が浮上している。「ノーメークのすっぴんをみられたくない」「部屋を見られたくない」―。会議のためだけに化粧をするのも手間だし、何よりプライバシーの問題でもある。女性らのこうした声に応えようと、「アバター(分身)」を使ったビデオ会議を提案するベンチャー企業がある。
「時空テクノロジーズ」(以下時空、東京)が開発中のコミュニケーションサービス「vmeets(ブイミーツ)」のビデオ会議では、画面に参加者全員がかわいいアバターで登場する。どれもアニメのキャラクターのようなイメージだ。
▽和む会議
デモで見せてもらったアバターは犬や女の子。CEOの橋本善久(はしもと・よしひさ)さん(46)自らが女の子のアバターを使い、いろいろな動きを実演してくれた。記者が「女の子にもなれるんですね?」と聞くと「なれますよ」と笑った。
パソコン付属のカメラが人の動きを認識し、顔の向き、目や口の動きが再現される。笑ったり、驚いたりを自動判定するほか、LINE(ライン)スタンプのように手動で「びっくり」といった派手なアクションをさせることもできる。
これらの機能には、プライバシー問題の解決のほかに、実はもう一つ大きな狙いがある。それは、仕事に「和み」の要素を取り入れることだ。
「和むのは重要です。ワンちゃんのアバターでまじめな顔はできないじゃないですか。むしろ深刻な話をするときに向いているかもしれません」
このソフトを使えばどんな会議でも楽しくなる。会議のストレスを和らげることで、生産性やクリエイティビティを高められると考えている。「働き方改革」は、とかく残業削減の話になるが「それって最悪ですよね。みんな苦しいだけ。数字だけ減らしにいってもしょうがない」。テクノロジーを使って働き方そのものを変えることを重要視している。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース