東海テレビ
愛知県の弥富市議会は24日、議長に対する不信任決議案が可決されるなど、今、混乱しています。その背景にあるのが、市と議長の間で起きた土地を巡るトラブルです。 議長が市を訴えるなど訴訟合戦の様相を見せる中、弥富市で一体何が起きているのか、取材しました。 24日、不信任決議案を可決された弥富市議会の議長。しかし…。 弥富市議会の大原議長:
「議長としては不信任案が出ても、このまま任期中は続けます」 議長と弥富市の対立を発端に、市議会は混乱。弥富市で一体、何が起きているのでしょうか…。 弥富市の加藤明由市議。去年、加藤市議の元に寄せられた投書から、ある問題が発覚しました。 加藤弥富市議:
「この杭から5mですね。公図上みますと5mとなっていますので。たぶんこのあたりじゃないですかね。(Q.擁壁を含めて本来は市の土地?)そういうことですね」 用水路沿いに立つアパート。市の土地である用水路とは擁壁によって隔てられています。ところがこの擁壁、実は市有地の上に建てられているといいます。 道路を挟んだ反対側の水路に比べても、問題の水路はアパート側が狭くなっているのが分かります。住民監査請求を受け調査したところ、市は幅65センチ、およそ60メートルに渡りアパートの敷地が市の土地にはみ出ていることを確認。 さらに、2006年の段階で市がアパート側にはみ出さないように求める通知を出していたことも発覚。このため市は、アパートのオーナーが用水路の土地を「不法に占拠」していると判断しました。 そのオーナーが、市議会の大原功議長でした。 旧弥富町時代から通算し、10期務める市議会の大ベテラン。市は大原議長に対し、擁壁の撤去とともに13年間不法に占拠した間に得た利益として、およそ130万円の支払いを求めました。 渦中の大原議長は…。 大原議長:
「私の方は(市有地にかかっていると)分からなかった、全然。そういうのは去年の8月に、その(通知する)書類が市側が私に見せてくれた。それまで私は分からなかった」 大原議長は、この問題は去年初めて知ったと説明。市が問題を指摘したとする14年前のやりとりについては、「建設業者が市と直接やりとりしていて、指摘を受けたことなどは知らなかった」としています。 さらに顧問弁護士は、「市側が示した資料は測量士によって計測したものではないため、用水路とアパートの境界線が正確に確認されているかどうか疑問がある」と主張しています。 西野弁護士:
「(Q.水路とアパートの境界が決まっていないのか)弥富市としては合意した線があるんだとおっしゃっているようなんですけども、その資料がはっきりしない。誰が測量したのか、いつ立ち会ったのか、どの線を確認したのかはっきりしていない。基本的には境界が決まっていない案件です」 大原議長側は今年2月、「使用料を払う義務はない」として債務不存在の確認を求めて市側を提訴。これを受けて市も3月、大原議長の提訴を決めるなど弥富市と議会トップが争う構図に。弥富市民は…。 弥富市民の女性:
「まあね、よくないよね」 弥富市民の男性:
「情けない話ですよね。ちゃんとしてほしいです、市民としては。そんなことで争っている場合じゃないですよね、今は。コロナもあるし」 別の男性:
「僕ははっきりしていただいたほうがいいと思います。決着はきちっとつけてもらわないと。和解できるようなことなら別ですけど、公の土地の話ですから、きっちりしてほしいですね」 そして、25日の弥富市議会。 加藤市議:
「現在は事実上、議長と市が係争状態となっている。これでは中立公正な議会運営、議事運営に支障をきたす疑念を抱かざるを得ない」 大原議長に対する不信任決議案が、賛成多数で可決されました。 大原議長:
「議長としては不信任案が出ても、このまま任期中は続けます。市民のために頑張ります」 不信任決議に法的拘束力はなく、任期となる2022年の春まで議長職にとどまる意向を示した大原議長。さらに…。 大原議長:
「市民がね、今ここで辞めれば『大原が悪い』というふうになってしまうので。人間悪いことをすれば絶対やめなきゃいかん、襟を正すこと。きちっとした証明ができればね、裁判で『大原さんが悪い』というなら、私はいつでもやめます」 土地を巡り弥富市と議長が争う異例の事態…裁判は7月7日から始まります。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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