農水省動物検疫所神戸支所は、鳥取県境港市の米子鬼太郎空港に10月1日から出張所を新設し、検疫体制を強化する。国際線増便でインバウンド(訪日外国人)が増え、山陰地方では初となる常駐職員を配置。中国などから畜産物の不正持ち込みは全国で年間9万件に上り、アフリカ豚コレラ(ASF)ウイルス遺伝子検査で陽性だった違反事例は直近1年間で71件あった。手荷物検査の強化で、ウイルス感染を水際で防ぐ狙いだ。
職員1人が常駐し、同空港を含む鳥取、島根両県の空港と港計5カ所を管轄する。これまでは国際線運行日に、岡山市にある岡山空港出張所の職員を派遣していた。鳥取県によると、2018年の外国人宿泊数は約19万人で前年の4割増。米子鬼太郎空港では、昨年からソウル線と香港線を増便しており体制を強化した。必要に応じて、岡山空港から職員を派遣する。
動物検疫所は、空港や港の税関検査場で手荷物を確認し、ソーセージなど肉類、肉製品の不正持ち込みを防ぐ。検疫所は10月1日時点で横浜本所の他、全国に8支所あり、出張所は2カ所増え18となる予定。北海道の函館空港分室が出張所扱いとなる。
空港などでは18年に約9万4000件の畜産物の違反品を回収。今年1~7月は約5万9000件で前年同期を5%上回る。中国で初めてASFが発生した18年8月から19年9月20日までの違反品からASFウイルス遺伝子が71件確認され、うち2件は感染力があるものだった。同省は「水際での対応を徹底し、ウイルスの侵入を防ぎたい」(動物検疫所神戸支所)と話す。
日本農業新聞
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