ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月4日放送)に元内閣官房参与で前駐スイス大使、現在はTMI総合法律事務所顧問の本田悦朗が出演。自らが長年サポートして来たアベノミクスと今後の日本経済について解説した。
アベノミクス総括、総裁選3候補の考えをチェック
菅官房長官は9月2日に自民党総裁選への出馬を表明した際、アベノミクスをしっかりと責任を持って引き継ぎ、さらに前に進めて行きたいと明言した。一方、石破氏は、アベノミクスで株価は上がったが、個人所得は伸び悩んでいると指摘。そして岸田氏は、成長の果実が中間層や中小企業、地方に分配されていないとし、格差解消に向けて所得の再分配に目配りする姿勢を示した。 飯田)菅さんはしっかりと引き継いで行くのだと言っていますが、岸田、石破両氏は独自色も示すというところです。本田さんは、アベノミクスの生みの親の1人ですよね。 本田)生みの親は安倍総理なのですけれども、それをサポートして来たということで、私もこのプロジェクトには思い入れがありますし、最後までやり抜いていただきたいと思います。
アベノミクスをやり抜かないと日本は衰退する
飯田)まだ道半ばですか? 本田)半ばです。これをやり抜かないと、日本は間違いなく衰退します。日本は20年間、数え方によっては30年間、デフレを経験して来たのです。確かに、消費者物価指数が明らかにマイナスという年は、プラスになったりマイナスになったりしました。しかし、全体としての20年、30年を見ると、やはりマイナスなのです。少なくともメンタルの意味では、日本国民は商品を買うことに慎重で、企業は設備投資に慎重です。ですから、内部留保がどんどん増えて行くのです。内部留保が増えると、給料が増えないのです。給料が増えないから消費も増えないという、悪循環が続いて来ました。
成長戦略の成功の前提にマクロ政策の成功がある~好循環をつくって将来に対する明るい展望を企業経営者にも消費者にも持ってもらう
本田)それを是正することが、アベノミクスの第一の目的です。それを実現しないで、よく「成長戦略が足りない」とおっしゃる方が多いのですが、成長戦略はわかりやすいものです。マクロ政策は抽象的なので、すぐに目に見えないことが多いため、わかりにくい。しかし、成長戦略はITやAIなど、非常にわかりやすいことを説明するのですが、デフレから脱却しないと企業が前向きな投資をしません。成長戦略の成功の前提に、マクロ政策の成功があるのです。つまり好循環をつくって、将来に対する明るい展望を企業経営者にも投資家にも、消費者にも持ってもらうということが、成長戦略が成功することの前提となっているのです。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース