アマゾン担当配達員 長崎でストライキ開始 就業継続求め

 ネット通販大手「アマゾン」の荷物を担当する長崎県内の配達員らが、契約先の運送会社間のトラブルをうけて失職する可能性があるとして、8日朝から就業継続を求めてストライキを行った。アマゾンジャパンは「配送に遅延はなく、お客様には予定通りお届けできております」としている。

 ストに参加した配達員は約20人。配達員らは8日午前9時すぎ、長崎市の県勤労福祉会館に集まって就業継続を訴えた。ふだん配達を担当している地域の世帯に、ストへの理解を求めるビラを配ったりもした。配達員らが加入する労働組合の東京ユニオンは、代わりに配送を引き受ける可能性がある運送会社や県トラック協会に、スト破りにつながる協力はしないよう要請した。

 配達員らは個人事業主として、アマゾンの荷物を請け負う運送会社(横浜市)の下請けである運送会社(埼玉県川口市)と契約。長崎市と長崎県諫早市の拠点で配送を担っている。

 両社間のトラブルをきっかけに、横浜市の会社が川口市の会社に4月8日で契約を終了すると通告。配達員らも仕事を失う可能性が高まった。

 契約先の運送会社自体が契約を解除される立場のため、今回、横浜市の会社に自分たちと直接契約をするか、別の下請け会社と契約できるよう便宜を図ることを求めて団体交渉を申し入れたが、「法的に団体交渉に応じる義務はない」と拒否された。

 このため同様の要求を掲げてストを通告したが、期限の3月7日までに要望に応じないという趣旨の回答があったという。

 30代の配達員は、「配達個数も当初の倍近くに増えるなど(労働条件が)厳しくなっても、事故もなく必死に働いてきた。なぜ自分たちが突然切られるのか、全く意味がわからない」などと話した。

 平地が少なく斜面に住宅などが立ち並ぶ長崎市内では、配達先そばに車を止められず、荷物を抱え坂道や階段を上り下りするなど苦労が多いうえ、ガソリンの小売価格も高い。処遇改善を求める配達員らは東京ユニオンに加入。2022年9月に東京ユニオンアマゾン配達員組合長崎支部を結成した。

 横浜市の運送会社は朝日新聞の取材に対して、「今後の諸手続き等の中で明らかにする予定ですので、本件の詳細に関するコメントや個別のご質問に対するご回答は差し控えさせていただきます。配送に特段の遅延はなく、お客様には予定通りお届けできております」とのコメントを寄せた。(寿柳聡)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment