仕事で疲れ果て、洗面所にうずたかく積み上がる洗濯物を見て見ぬふり。気になっている男性に誘われてバーに行ったものの、彼女の相談をされ、強いお酒を仰いで寝落ちする――。
アラサー女子の日常を、リカちゃん人形を使ったコマ撮り動画で描いたユーチューブ「現実を生きるリカちゃんねる」は、実体験に基づいたリアルさが共感を呼び、登録者数は67万人にのぼる。東京都内の企業に勤める20代女性が2020年5月に始めた。
「少しずぼらでもリカちゃんはかわいい。だったら同じようにしている自分もかわいいはず、と自己肯定感が高まる。それが『#リカ活』の魅力です」
リカちゃんを使い、時に現実の自分を、時になりたい自分を投影し、SNSに投稿して楽しむ「リカ活」。子どものころ、リカちゃんで遊んだ20~40代の女性たちを中心にブームになっている。
時代の変化と広がる楽しみ方に合わせ、リカちゃんは成長してきた。
初代リカちゃんが発売されたのは1967年。本名は「香山リカ」、11歳の小学5年生という設定だ。彫りが深くきりっとした顔から、2代目は瞳の中の星が一つから三つに増え、表情がより豊かに。3代目でストレートヘアになり、4代目は初代より身長が1センチ伸びた。
岐阜県の馬場涼子さん(33)は、おそろいの服を卒業した5歳の長女の代わりに、自分と同じ服を手作りして着せたリカちゃんの写真を、インスタグラム(@ryoko_licca)に投稿。SNS上で評価されることで、日常生活のストレスが和らぐという。「リカ活のおかげで、コロナ禍でも心に平和を取り戻せました」
さらに、ニュージーランド在住の40代女性は、これまで約30人のリカちゃんを「お迎え」した熱烈なファン。好きが高じて、スニーカーや腕時計といった小物まで手作りし、ツイッター(@petit_doll_aica)に投稿したところ、香港に住む人から「私もリカちゃんを街に連れ出して撮影を楽しんでいる」と連絡があった。女性は言う。「リカちゃんの可愛さは世界共通です」
ファンの「聖地」は福島に
大人もひかれるリカちゃんが…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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