製菓会社のUHA味覚糖(大阪市)が発売したアルコール入りのキャンディーについて、子どもが口にしないよう注意を呼びかけるツイートが広がっている。菓子類には「酒類」との表示義務はない中、今回の商品はアルコール入りを明示しているが、気づかず摂取する危険があるとツイートは訴えている。
商品は、UHA味覚糖が昨年12月5日に発売した「パリピ気分」。パッケージ上部に「アルコール分2・0%入り」と記しているほか、裏面にも「本製品はアルコール原料を使用していますので、お子様やお酒に弱い方、妊娠・授乳中の方、運転時にはご注意ください」と表示している。
UHA味覚糖は取材に「アルコールを効かせたソフトキャンディーとして、20歳以上向けに開発した」と回答。子どもらの購入を避けるために目立つようにアルコール入りの注意書きを表示していると説明する。
期間限定商品としてすでに出荷を終え、現在の店頭分で販売を終えるという。
注意のツイートをしたのは、NPO法人「アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)」の社会対策部薬物担当の風間暁さん。1万8千リツイートされている。
風間さんは昨年末、東京都内のコンビニでこの商品を見つけた。風間さんは、パッケージ上部にある「お子様や運転時はご遠慮ください」などの注意書きについて、切れ込みから開封すると文字が切れてしまい、分からなくなると指摘。中身を個別に包装した袋の注意表示についても「気づきにくい」とする。
消費者庁によると、1%以上のアルコールを含む飲料については「酒類」の表示が義務づけられている。
菓子類には「酒類」と書く義務はない。ただ、酒入りのチョコレート菓子については、「全国チョコレート業公正取引協議会」が表示に関するガイドラインを自主的に策定。消費者庁によると、製品の全重量に対して1%以上のアルコールが使われている場合、「アルコールが入っている」「お子さんには与えないように」などの注意書きが記載されている。
風間さんは今回の商品が若者の間で「酔える」と話題になっているとして、「法的に問題ないとしても、子どもが安易に買えないよう、企業も努力すべきだ」と訴える。
UHA味覚糖は取材に「SNS等でご指摘いただいております通り、読みやすさ・分かりやすさに関して検討すべき点があると考えています。販売方法においても同様です。この度のご意見を踏まえて今後の企画・商品への対応を検討してまいります」とコメントしている。(前川浩之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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