13日夜に発生した福島県沖を震源とする地震で、総合スーパーのイオンやイトーヨーカドーでは福島県などの一部店舗で14日の営業を休むことを決めた。建物などが被害を受けた。コンビニをはじめ小売店でも停電や商品の落下などで休業した店があるほか、宮城県にある工場の操業にも影響が出ている。
イオンは、福島県内と宮城県内にある4商業施設を14日休業した。ショッピングモールフェスタ(福島県郡山市)とイオンモール名取(宮城県名取市)、イオンタウン名取(同)、イオンタウン佐沼(宮城県登米市)で、スプリンクラーや天井が破損したという。またイオンスーパーセンター鏡石店(福島県鏡石町)も休業した。ただ一部では食品のみ営業を再開している。イオン浪江店(福島県浪江町)は当初休業を予定したが、安全が確認できたため営業している。
イトーヨーカドーも郡山店(福島県郡山市)を14日休業した。建物に被害が出たという。福島市と福島県いわき市の2店については食品売り場のある1階部分のみの営業にした。
セブン―イレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ3社は現時点で大きな被害は確認していないという。いずれも停電や商品の落下などの影響で一部で休業している店があるが、順次再開する見込みとしている。
衣料品大手のファーストリテイリングによると、ユニクロで宮城県と福島県にある8店が14日、臨時休業した。店内の設備が損傷するなどしたためという。ジーユーも同日、宮城県と茨城県の3店を休業した。
また、キリンビールの仙台工場は地震を受けて操業を止めている。広報担当者は「敷地内の建物の一部で壁がはがれたり、倉庫の商品が落ちたりした。大規模な被害はない」としている。稼働の再開は、状況を見て判断するという。
山崎製パンの仙台工場は、地震直後に従業員を避難させ、操業を停止した。14日朝から順次復旧したが、一部の生産ラインは止まったままになっている。この影響で、16日までは出荷を通常時の1日2回から1日1回に減らすことを決めた。全復旧の見通しは未定としている。
化学大手の三井化学によると、市原工場(千葉県市原市)が停電のため、操業が止まっている。停電は復旧し設備の安全は確認されたが、生産ラインの再立ち上げには2週間程度かかる見込みだ。工場では、容器などのプラスチック製品や自動車用部品を製造している。
鉄鋼大手JFEスチールの仙台製造所(仙台市)も設備の安全確認のため、自動車部品などに使われる鉄鋼製品の生産ラインが止まっている。再開時期は未定という。
製紙大手の日本製紙は、印刷用紙をつくる石巻工場(石巻市)と岩沼工場(岩沼市)で生産が止まっているという。操業再開に向けて状況を確認している。(中島嘉克、佐藤亜季、若井琢水、江口英佑)
トヨタの3工場は被害なし
トヨタ自動車東日本(宮城県大衡(おおひら)村)は14日、13日夜に発生した福島県沖を震源とする地震で、東北地方にある3工場で生産設備に特段の被害が出ていないと明らかにした。15日から通常稼働する方針だという。
同社は、東北地方で宮城大衡工場(同村)と宮城大和工場(同県大和町)、岩手工場(岩手県金ケ崎町)の3工場を運営しており、小型車「ヤリス」や「アクア」などを生産している。(三浦惇平)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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